土木一式工事に該当するもの

建設工事の内容に関しては、国土交通省の「告示」によって規定されています。 それによると、『土木一式工事』とは、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む)とされています。要するに、元請業者が総合的な立場で木工作物を建設する工事であって、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事のことです。
一言で言ってしまえば、「土木一式工事」は「土木工事を総合的にマネジメントする立場」の方が取得する許可ということです。
具体的には、橋梁、ダム、空港、トンネル、高速道路、鉄道軌道(元請)、区画整理、道路・団地等の造成(個人住宅の構造は含まない)、公道下の下水道(上水道は含まない)、農業用灌漑水道工事などを一式として請け負う工事が該当します。
ただし『建設業許可事務ガイドライン』に明記されていますが、一式工事(土木・建築共に)については、必ずしも二以上のの専門工事の組み合わせは要件ではなく、工事の規模、複雑性等からみて個別の専門工事として施工することが困難なものも含まれるとさせています。

 

他の業種との境界・区分の考え方

1.『とび・土工・コンクリート工事』との境界・区分は
「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート鋼造物の工事は『土木一式工事』になりますが、それ以外のプレストレストコンクリート工事は『とび・土工・コンクリート工事』に該当します。

 

2.『管工事』・『水道施設工事』との境界・区分は
上下水道に関する施設の建設工事において
@公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事…『土木一式工事』
A家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道の配管小管を設置する工事…『管工事』
B上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事…『水道施設工事』
農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事は『土木一式工事』になり、『水道施設工事』ではありません。

 

一般建設業で『土木一式工事』の専任技術になるには

1.『資格』でなるには

  • 1級建設機械施工技師
  • 2級建設機械施工技師
  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士 建設・総合技術監理
  • 技術士 農業・総合技術監理
  • 技術士 水産・総合技術監理
  • 技術士 森林・総合技術監理

2.『学歴+実務経験』でなるには
『資格』を持っていない場合であっても下記に関する学科を卒業している場合、高卒であれば5年大卒・高専卒であれば3年以上の土木一式工事に関する実務経験があれば、一般建設業の土木一式工事の専任技術者になることが出来きます。

  • 土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む)
  • 都市工学
  • 衛生工学
  • 交通工学

3.実務経験だけでなるには
『資格』・『学歴』がない場合でも、土木工事に関する実務経験が10年以上あれば、一般建設業の土木一式工事の専任技術者になることが出来ます。

 

★『一式工事』に関して付け加えて置きたいことが2つあります
@『一式工事の許可』を持っているんだが、他の専門工事を請け負うことは出来るよね?と相談されるのですが、『一式工事』と『専門工事』はまるっきり違う許可なのです、『一式工事』はマネージメントの許可なので、500万円以上の専門工事を請け負うのであれば、その工事に該当する『専門工事の許可』が必要です。
A『一式工事』は元請と関係してるので、付け加えて置きます、元請が総合的な工事を全て下請に任せることは、建設業法で「一括下請負の禁止」、いわゆる「丸投げ禁止」が定められています、元請さんを信じて施工を任せる施主さんを悲しませるようなことは決してなさらぬようにお願いしますね!