1.建設業許可が必要な場合とは?
●建設業の許可が必要な場合
建設業法第3条1項で次のように規定しています、簡潔にまとめますと、『建設業を営もうとする者は、建設業法施行令第1条の2で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業するもの以外は、建設業の許可を受けなければならない』としています。では、建設業の許可がいらない軽微な建設業を下記表にまとめておきました。
*1許可が不要な軽微な建設工事 | |
---|---|
*2建築一式工事 |
次のいずれかに該当する場合 |
建築一式工事以外の工事 | 1件の請負金額が500万円未満(税込)の工事 |
*1軽微な工事とは、1件の工事を2以上の契約に分割して請け負う場合は、各契約の請負代金額の合計額となります。また、注文者が材料を提供する場合は、市場価格又は市場価格及び運送費を当該請負契約の請負代金に加えたものが請負代金の額になります。
ただし、1件の工事であっても工期が分かれていれば、2以上の契約に分割して請負うことは可能です、この場合は分割した1つの請負代金で判断します。
*2建築一式工事とは、複数の下請企業を元請が統括して行うような大規模な工事のことです。
そして上記の軽微な建設工事以外の工事を請負う建設業者は、建設業の許可が必要となります。
〈建設業の許可が必要な建設業者は〉
@建設工事を発注者(施主)から、直接工事を請け負う『元請人』
A元請人から建設工事の一部を請け負う『下請人』
『元請人』・『下請人』で建設業の許可が必要な者は、個人・法人を問わず、国土交通大臣又は都道府県知事の許可が必要になります。
★許可を受けずに軽微な建設工事の限度を超える建設工事を請け負った場合は、無許可営業として罰せられます(建設業法第47条1項1号、3年以下の懲役または300万円以下の罰金)。
2.建設業の種類
●建設業の種類
建設業は、営業をしようとする建設工事の”種類ごと”に設けられています。建設業の業種は、2つの一式工事と27の専門工事、合計29業種あります。
※建設業許可:29業種の詳しい解説はこちらを!
建設工事のうち、土木一式工事と建築一式工事は、他の27の専門工事とは、異なり、総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物又は建築物を建設する工事で、専門工事を下請として組織する建設工事を行うような工事のことです。イメージ的には下記の図のようになります。
★ここで、建設業者の皆さんも勘違いなさることが多いのですが、「一式工事」と「専門工事」は全く別の許可業種です。一式工事の許可を取得した建設業者でも、500万円以上の専門工事を請け負う場合には、その専門工事の許可が必要になるのです。一式工事の許可を持っていれば包括的に他の専門工事業に属する工事が出来るわけではありませんので注意してください。
3.知事許可と大臣許可
●知事許可と大臣許可
建設業の許可には『都道府県知事許可』と『国土交通大臣許可』の2種類の許可があります(建設業法第3条2項)。
@当道府県知事許可
「一つの都道府県」の区域内に「営業所」を設けて建設業を営業する場合に取得する許可のことです。
A国土交通大臣許可
「2つ以上の都道府県」の区域内に「営業所」を設けて建設業を営業している場合に取得する許可のことです。
※『知事許可』と『大臣許可』のイメージ
※「営業所」とは、
建設業法第3条1項かっこ書きに、@本店又はA支店若しくはB政令で定めこれに準じるものと規定されています。Bはわかりずらいので説明しますと、政令で定め支店に準じるということですので、常備建設工事の請負契約を締結することが出来る事務所ということになります。
また、「主たる営業所(本店)」には、経営業務の管理責任者が常勤していなければなりませんし、「従たる営業所(支店・営業所等)」には*1政令で定めた使用人(支店長、営業所長等)が常勤していなければなりません。
*1政令で差で定められた使用人とは、…建設業法施行令第3条で定められており、支店・営業所等の代表者のことで、『令3条使用人』と呼ばれています(この使用人がいることによって請負契約等が締結できる)。
★専任技術者は、各営業所に常勤していることが必要です。
※経営業務の管理責任者、専任技術者に関しては、「一般建設業の許可要件」・「特定建設業の許可要件」で説明しておりますのでそちらもご覧ください。
4.一般建設業と特定建設業
●一般建設業と特定建設業
建設業の許可は、一般建設業の許可と特定建設業の許可に区分されています。
@一般建設業
特定建設業以外の場合は、一般建設業の許可が必要です(建設業法第3条1項1号)。
A特定建設業
建設工事の最初の発注者から直接工事を請け負う者(元請)が、*11件の工事について下請代金の額(下請契約が2件以上ある場合はその総額)が4,000万円(建築一式工事にあっては、6,000万円)以上となる下請契約を締結して工事を施工する場合は、特定建設業の許可が必要になります(建設業法第3条1項2号)。
*11件の工事の下請契約の金額は、建設業法施行令第2条で規定されています。
●特定建設業は下記の図のようなイメージです。
※特定建設業に該当するかの判断は、一次下請代金の合計が4,000万円(6,000万円)以上であるかで判断されます、したがって、二次下請以降の代金は含まれません、
また、一次下請けの者が二次下請と契約しても、特定建設業に該当しません。
※一般建設業の許可を受けたものが「当該許可に係る建設業」について、特定建設業の許可を受けたときは、そのものに対する当該建設業に係る一般建設業の許可はその効力を失います(建設業法第3条6項)。
●『一般建設業』と『特定建設業』のイメージ
●建設業の許可分類をまとめますと、
まず第一は、建設工事の種類を基準として分類された『建設業種の許可』を取得しなければなりません。
そしてその『建設業種の許可』が、監督権者と営む建設業の形態に応じて分類されているのです。
1つの都道府県に営業所がある | 複数の都道府県にまたがって営業所がある | |
---|---|---|
一般建設業 | 一般建設業・都道府県知事許可 | 一般建設業・国土交通大臣許可 |
特定建設業 | 特定建設業・都道府県知事許可 | 特定建設業・国土交通大臣許可 |
建設業許可を取得するための要件
●建設業許可を取得するための要件
建設業許可を取得するため要件は、建設業法で規定されている下記の5項目です。@『経営業務の管理責任者』がいること(建設業法第7条1号)
@建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を備えていること(建設業法第7条第1号、建設業法施行規則第7条第1号)
A『専任技術者』を営業所ごとに置いていること(建設業法第7条2号)
B誠実性を有していること(建設業法第7条3号)
C財産的基礎又は金銭的信用を有していること(建設業法第7条4号)
D欠格事由に該当しないこと(建設業法第8条各号)
E適切な社会保険に加入していること(建設業法第7条1号、建設業法施行規則第7条2号)※建設業許可要件に、『社会保険の加入』が加わります(2020年10月1日施行)。
建設業許可を取得するための要件は、上記の通りなります、いわゆる『人・物・金』の要件です、これらの要件を証明することで建設業の許可を取得することができるのです。
この中でも特に@・Aの要件を証明することが一番の難関であり、これを証明する
ことが出来たならば、『許可取得』はグット近いものとなるでしょう。
『許可の要件』は、「一般建設業」と「特定建設業」とで内容が若干違うため具体的に詳細を説明していきます。
1.「一般建設業の許可要件」はこちらをクリックしてください、ご覧い頂けます!
2.「特定建設業の許可要件」はこちらをクリックしてください、ご覧い頂けます!
建設業許可申請の流れ
●建設業許可申請の流れ
1.建設業許可が必要なのかを判断
2.許可要件(5項目+1)を満たしているかを確認(前項「建設業許可を取得するための要件」参照)
3.取得する建設業種と区分を決める
4.書類の作成
【埼玉県】建設業許可の手引きのダウンロード先
【埼玉県】建設業許可申請の様式のダウンロード先
5.役所に申請
申請書提出先
@埼玉県知事許可は、埼玉県県土整備部建設管理課建設業担当(県庁第2庁舎3階)
A国土交通大臣許可は、主たる営業所を管轄する国土交通省地方整備局
以上が、許可申請の流れです、一度【埼玉県】建設業許可手引きをご覧頂くと良い
と思います。
※申請書類・証明書類と結構なボリュームです。
●ここまで読まれて、また【建築業許可手引き】をご覧になられて、やはり『行政書士』に依頼した方が効率的で時間の節約になるなと感じられた方は、ご連絡頂き、ご相談頂くことをお薦め致します。
確かに当事務所の新規許可申請の報酬は15万円(書類が全てそろっている場合)ですが、5年間の許可です、1日当たりだと100円弱です。
当事務所にご依頼いただいた場合、申請に要する時間を、皆さんはお仕事に或いは、ご家族とのお時間に使うことも出来ます。是非ご検討ください。
初回のご相談(出張相談)は無料でご対応させて頂いております!
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